数年前の12月、早稲田大学教育学部教育学科初等教育専修の3年次編入試験を受けた時、以下のような問題が出ました。
「金属を加熱したら体積が膨張するとの実験を、どのように行うか。『加熱した金属の球を穴に通す』ということ以外の方法を書け。」
教科書通りの方法ならば、上記の方法が定番であると言えます。
しかし、それ以外の方法を書けと言っているのですから、これは完全なセンス問題、つまり実験の意義と目的を完全に理解しているかを問う問題であると言えます。
私は、この編入試験には合格せず、代わりにその2か月後に実施された、学習院大学法学部政治学科の3年次編入試験に合格しました。
過去5年間、合格者がゼロの試験で、私が初めて合格したのです。
問題は、『想像の共同体』から多く出題されました。
民族とは何かを問う書籍であり、関東学院大学大学院文学研究科博士後期課程に入学した折、冒頭で読まされました。
昨日、金属を加熱したら体積が膨張するとの実験を小学校の授業中に行いました。
4年生です。
4年生で行われることを、初めて知りました。
実験器具の実物を見たことがなく、理科室や理科準備室の戸棚を見て歩いても、見付かりませんでした。
担任の先生もよく知らず、「私も探しておきますが、もしなかったら、実験はしないことにしましょう」と言われました。
子供たちにも、実験ができるかどうか分からない旨を伝えました。
すると、理科が得意なZ君が動き出し、理科準備室の床に近いところに実験器具を発見しました。
まず、常温では金属の球が穴を通ることを確認し、次に金属の球をガスコンロで熱しました。
金属の球が葡萄色になるまで熱する班もありました。
穴に通そうとしても、金属の球は体積が膨張しており、通すことはできません。
水を入れた鉢に金属の球を落とすと、ジュッと一瞬蒸発が起きてまた金属の球は穴を通せるようになっていました。
この実験器具を、自宅で購入したいという子供も現れました。
思ったよりも簡単な実験でした。